リーダー像のご紹介 日本を代表するリーダーの声をご紹介

リーダー像のご紹介

ネスレ日本株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 高岡 浩三氏

プロフィール

1983年、神戸大学経営学部を卒業後、ネスレ日本株式会社入社。
2005年、ネスレコンフェクショナリー株式会社代表取締役社長、2010年ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEOに就任。「キットカット受験生応援キャンペーン」、「ネスカフェ アンバサダー」などの「ネスカフェ」の新しいビジネスモデルの構築などを通じて高利益率を実現。人事や営業など管理部門も含め、あらゆる部門に「マーケティング」を採り入れ、グローバルに通用する成熟先進国ビジネスモデルの構築に力を注ぐ。

経営とはマーケティングである

ネスレが日本でビジネスを開始して、既に100年以上になります。日本は先進国市場だという意識が一般には強いですが、戦後だけでも人口が5千万人増え、メインバンクはいても投資家は少ない、大株主は滅多に配当を要求しないなど、いわゆる新興国の成長モデルの中で発展してきました。しかし、21世紀を迎える中で、今後、企業は新しい経営スタイルが求められていることは確実です。そこで私が提唱しているのは、消費者や取引先のみを対象とする従来の意味でのマーケティングでなく、自社および従業員のニーズに応えていくという意味で、会社経営も自社を顧客としたマーケティングの一環だと考えています。これをマーケティング経営と呼んでおります。

イノベーションの大切さ

マーケティングでは、新たにイノベーションを作り、そのポジションをどう独占するかということが非常に重要です。特に大企業の中では、リーン・スタートアップの環境とベンチャー精神を社内でどう醸成するかは非常に大事です。例えば、ネスプレッソを販売開始したときには、社内外でも売れ行きを疑問視する声が少なくなかったことは事実です。しかし、日本では人口減が進む一方で、実は世帯数は上昇しているというデータがあります。今までお湯を沸かして家族みんなでコーヒーを飲むという形から、核家族化していく家族構成の中で、顧客が一番望むコーヒーを飲むスタイルとは何かということに応えた商品だったと思います。マーケティングとは、「市場調査を行い、広告を打つ」ことでなく、人々の「潜在意識」を取り込むことではないでしょうか。

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